冠婚葬祭-しきたりとマナー

数字から見る風習・しきたり2

この記事は2018年05月21日にRCCラジオ「平成ラヂオバラエティごぜん様さま」の人気コーナー「人生の知恵袋~冠婚葬祭篇(進物の大進提供)」にて放送した内容をまとめてお届けいたします。

先週は「5」までしたので、今週は「6」からですね?


数字のイメージはい。「六」といえばカレンダーや手帳に載っている六曜があります。大安、友引、先勝(せんしょう)、先負(せんぷ)、赤口(しゃっく?しゃっこう?)の6つです。それぞれ意味があり、大安は一日中が吉とされ、結婚式や結納などに最適です。友引は何事も引き分けで勝負がつかない日ですが、「友を引く」と書く為、文字の連想から葬儀は慎むとされています。中国から伝わった吉凶占いが、日本流にアレンジして広まったようです。「三国志」で有名な諸葛孔明も戦いの際に六曜を利用したそうですよ。



続いて「7」はいかがですか?


生後7日目に営まれる「お七夜」があります。「お七夜」は赤ちゃんが誕生して初めてのお祝いです。平安時代の頃は赤ちゃんが生まれてもすぐに亡くなることが多かったので、赤ちゃんが生まれた日、3日目、5日目、7日目、9日目の縁起の良い奇数の日に一晩ごとに赤ちゃんの無事を喜び、お祝いをしていました。それが江戸時代になって将軍家に子供が生まれると、お七夜に諸大名がお祝いの品を贈るのがならわしとなり、庶民の間にも広まって、現在では誕生7日目のお祝いだけが残って、「お七夜」となりました。「お七夜」にはこどもの名前を発表する儀式、命名式をします。
満一歳までの子供の行事はこちらから



「8」は漢字で書くと、末広がりで縁起が良い数字ですよね?


漢数字の「八」は末広がりで、将来にわたって運が開けていくという縁起の良い数字とされています。
また「8」は多数という意味もあり、代表的な例は「八百屋」で「たくさんの物を売っている店」という意味です。また「大江戸八百八町」とうい言葉は江戸に808の町が有るという意味ではなく、たくさんの町が有るということです。



では「9」はいかがですか?


日本では「9」は「苦しむ」を連想させる嫌われやすい数字ですが、中国では「9」は縁起の良い奇数の数字の最上級とされ、9月9日は最上級の数字が二つ重なることから「重陽(ちょうよう)」と呼ばれ、この日に菊の花びらを浮かべたお酒を飲み、長生きと病にならないことを願う風習がありました。これが日本に伝わり、9月9日は「重陽の節句」となりました。
平安時代の宮中の正式な行事になり、不老長寿の聖なる花と信じられていた「菊」のお酒を飲んだり、菊の露で体を拭いたりしていたようです。江戸時代には庶民の間にも広まりましたが、現在では神社やお寺で行事がある程度になりました。明治以降、新暦に変わって現在の9月9日が菊の咲く時期ではなくなったことが原因かもしれません。



最後は「10」ですね?


「十干十二支(じっかんじゅうにし)」という言葉があります。「干支(えと)」のことを「十二支(じゅうにし)」と言いますよね。十二支はお馴染みの、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌、亥で、古代中国で使われた暦の用語で、1年で月が12回満ち欠けすることに合わせて、月を数える用語として使われました。字が読めない人にもわかるように、身近な動物を当てはめたと言われています。十干は、甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、葵(き)のことで、これも中国から伝わり、日を数える用語として使われていました。干支は十干(じっかん)と十二支の組み合わせを言います。ちなみに今年の干支は戊戌(つちのえ・いぬ)です。

この記事は2018年05月21日にRCCラジオ「平成ラヂオバラエティごぜん様さま」の人気コーナー「人生の知恵袋~冠婚葬祭篇(進物の大進提供)」にて放送した内容をまとめたものです。 記事内容は放送当時の世相を反映した内容であり、閲覧されている現在では大進のサービス内容などが異なる場合がございます。予めご了承ください。