冠婚葬祭-しきたりとマナー

数字から見るしきたり

この記事は2015年07月06日にRCCラジオ「平成ラヂオバラエティごぜん様さま」の人気コーナー「人生の知恵袋~冠婚葬祭篇(進物の大進提供)」にて放送した内容をまとめてお届けいたします。

数字には「奇数」と「偶数」がありますよね?なんとなく、1・3・5などの割りきれない奇数のほうが縁起が良い感じがしますが?


数字から見るしきたりはい。奇数と偶数には古代中国から伝わった「陰陽思想」の影響があります。「陰陽思想」とは世の中の全ての物事は、陰と陽という、相反する形で存在して、お互いに衰えたり盛んになったりすることをくり返しながら、新しく発展していくという考えです。
陰と陽とは・・・例えば「明と暗」「天と地」「男と女」「善と悪」「表と裏」などです。




なるほど。では「偶数」「奇数」どちらが「陽」でどちらが「陰」なのでしょうか?


はい。2・4・6などの偶数は陰の数、1・3・5などの奇数は陽の数です。日本でも偶数は2つに割り切れることから別れを連想させるため、あまり良くない数字と考えられています。
逆に奇数は喜ぶ数と書いて「喜数」とも言い、ひな祭りの3月3日や、こどもの日の5月5日などのお祝いの行事があり、縁起の良い数と考えられています。
ただし、偶数でも8は漢字で書くと「末広がり」になっていることからめでたい数字とされています。
このように語呂合わせの数字もありますので、あまり気にしすぎず、良いほうに考えて選択してください。



では、「数字から見るしきたり」ということで、まず「1」にまつわる「しきたり」はありますか?


子供が一歳の誕生日に一升のお餅を背負わせる行事があります。一升が人間の一生に通じていて、「一生健康でありますように」や「早く一人前になってほしい」という願いから、一升の餅を背負って歩けることを喜びます。
もう1つは反対の意味があって、「転ばせ餅」と言って、転ぶことを喜びます。
これは、あまり早く歩き始めると、親元を早く離れたり、遠く離れて暮らすようになると言う考えからです。
そのため、歩くことができるお子様をわざと転ばせることもあるようですよ。


一升餅のページはこちらから

「2」は偶数ですから、陰陽思想では陰ですよね?ということは、お祝い事には良くない数字になるのでしょうか?


確かに「2」は割り切れるので、お祝い事にはあまり使いません。例えば、お祝いにお酒を2本持っていくのは「2」と数えないで、「1対」という奇数で数えます。
両手、両足、夫婦など対となってお互いに助け合って価値を高めるという数字です。



その他、数字に関するしきたりはありますか?


ちょっと数字が飛びますが。5月5日の「こどもの日」は、もともと「こどもの日」ではありませんでした。
5月5日は本来、男の子のお祭りではなく、五節句の一つ、「端午の節句」です。端午の「端(たん)」という字は「はじ」という意味、「午(ご)」は十干十二支の「うま」のことで、端午とは「月の最初のうまの日」ということです。
そのうち、端午の「ご」と数字の「五」の音が同じ事から5月5日が端午の節句として定着しました。
中国では昔から5月5日は病気や厄を払う節句の日とされ、菖蒲酒を飲んで邪気を払う行事が行われていました。
それが日本に伝わり、蓬(よもぎ)や菖蒲を軒先につるす習慣と結びついたのが端午の節句です。
国民の祝日として「こどもの日」が誕生したのは昭和23年で、「子供の人格を重んじ、子供の幸福を願うとともに、母親に感謝する」日で、「端午の節句」とは少し意味が違うものです。

この記事は2015年07月06日にRCCラジオ「平成ラヂオバラエティごぜん様さま」の人気コーナー「人生の知恵袋~冠婚葬祭篇(進物の大進提供)」にて放送した内容をまとめたものです。 記事内容は放送当時の世相を反映した内容であり、閲覧されている現在では大進のサービス内容などが異なる場合がございます。予めご了承ください。